テーラードジャケットとチェスターコート。
この二つのデザインの違いは着丈の長さや生地の厚みなど、一目見ればわかると思います。
どちらも大人っぽく見せてくれるアイテムで、襟のデザインなど似ているところも多いことから、同じような着こなしをすればいいかといえば、実はこの二つには大きな違いがあります。
今回の記事ではテーラードジャケットとチェスターコートの違いを解説します。
さらにテーラードジャケットとチェスターコートのような、アウター同士の重ね着が可能なのかも解説したいと思います。
Contents
おしゃれな大人コーデ
テーラードジャケットとチェスターコートの違いの解説の前に、おしゃれな大人コーデの基本を解説します。
ここからは「ドレス」や「カジュアル」といった単語がよく登場するので、おしゃれな大人コーデの基本を理解している方が話が早いです。
あとはおしゃれな大人コーデの基本を理解している方が、なぜテーラードジャケットとチェスターコートが大人っぽく見えるのかや着こなし方もすぐに理解できると思います。
メンズファッションでのおしゃれな大人コーデの基本は大人っぽさと子供っぽさのMIXになります。
大人っぽさを作るには「きれいめ」や「ドレス」と呼ばれる大人なアイテムを使い、子供っぽさを作るには「カジュアル」と呼ばれる子供っぽいアイテムを使います。
例えばスーツで使われるテーラードジャケット、白シャツ、スラックス、革靴は大人アイテムになり、カジュアルな印象が強いパーカー、Tシャツ、ジーパン(デニム)、スニーカーなどは子供っぽいアイテムになります。

おしゃれな大人コーデを目指すなら、全体で見た時に大人っぽさを強くする必要があります。
8:2、7:3、6:4、比率の決まりは特にありませんが、必ず大人っぽさが強くなるようにしてください。
10代、20代の若さがあれば5:5など多少子供っぽく見えても問題ないのですが、私のような「おやじ世代」が子供っぽく見えてしまうとダサくなります。
普段、スーツ姿のビシッとした姿で大人な雰囲気を出していると、悪い意味でギャップを感じてしまい周囲をガッカリさせてしまいます。
そうならないためにも必ず大人っぽさが強くなるようにしてください。
仕事の時はスーツなので10:0で大人っぽさ全開。
休日は0:10で全身カジュアルに統一する男性が多いのですが、実はこの全身統一が世の男性を子供っぽくてダサいファッションにしているのです。
顔つきや体型が大人っぽい外国人なら、0:10の全身カジュアルでも大人っぽさが残り、おしゃれに見えます。
それだけ顔や体型がファッションに与える影響が大きいということですが、この影響は逆の場合も然りで、童顔で子供っぽい体型の日本人が外国人と同じ0:10の全身カジュアルを真似すると、大人っぽさが残らず老けた子供のようになってしまいます。
この大人っぽさと子供っぽさをMIXさせるのが、おしゃれの基本であり法則になります。
この法則に関してはMBさんのブログや、MBさんの書籍「最速でおしゃれに見せる方法(電子限定特典付き)」で詳しく解説されています。
チェスターとテーラードの違いは何?
おしゃれな大人コーデをするにはドレスとカジュアルをMIXさせ、最終的にはドレスを強くする必要があるわけですが、テーラードジャケットとチェスターコートはどちらもドレスアイテムです。
しかもどちらもドレスが強めのアイテムになります。
テーラードジャケットはスーツスタイルでも使われているので、比較的着こなしに抵抗がないかと思いますが、問題はチェスターコートの方です。
襟のデザインが似ていたりするので、チェスターコートをテーラードジャケットと同じ着こなしをすると
「あれ?なんか違う」
さらに黒やベージュのチェスターコートを使ったりすると
「これは・・・サラリーマン?」
おしゃれな大人コーデに慣れていない男性だとこんな感じになったりします。
同じような襟のデザインでどちらもドレスアイテム。
それなのになぜ同じ着こなしをしても印象が変わるのでしょうか?
その答えは着丈の長さにあります。
テーラードジャケットとチェスターコートの着丈の長さは誰が見ても気づく箇所なので、当たり前と思われるかも知れませんが、では着丈の長さが違うと何が違うのでしょうか?
それは、大人っぽさとボリュームが変わってきます。
大人っぽさが増す
チェスターコートに限らず着丈の長いアイテムはドレスが強くなり大人っぽさが増します。
それは他のロングコートやロングカーディガン、ロングシャツなどでも同じことが言えます。
テーラードジャケットもドレスアイテムですが、チェスターコートはもっとドレスが強くなるので、黒やベージュを使うとドレスが強くなりすぎてよりサラリーマンぽくなったりします。
確かにチェスターコートは羽織るだけで簡単に大人っぽくしてくれるアイテムですが、何も考えずただ羽織っただけではドレスが強くなりすぎてサラリーマンの印象が強くなります。
パンツはスラックスではなくデニム(ジーパン)を使ったり、革靴ではなくスニーカーを使ったり、シャツではなくパーカーを使ったりするなど、必ずカジュアルアイテムをMIXさせてドレスを崩すようにしましょう。
ボリュームが増す
もう一つの違いであるボリュームですが、どんなに細身のチェスターコートを使ってもあれだけ着丈が長いと必然的に面積が広くなるのでボリュームも増えます。
上半身にボリュームが出るということは、目指すシルエットはYラインかOラインになります。
メンズのシルエットには以下の4つがあり
- Iライン・・・上下細身
- Aライン・・・下半身にボリュームを出す
- Yライン・・・上半身にボリュームを出す
- Oライン・・・上下にボリュームを出す
上下のボリュームが少なく細身でスタイリッシュなIラインが最もドレスが強くなります。
他のシルエットはIラインに比べるとカジュアル寄りにはなりますが、綺麗なシルエットというだけでカジュアルを弱めることができます。
「きれいめ」という言葉があるように、「きれい」はアイテムだけではなくシルエットを綺麗にすることでもドレスライクになります。
シルエットに関してはこちらの記事でも詳しく解説してるので参考にしてください。
最も簡単なのは細身のパンツを合わせることです。
上半身にボリュームがあるので、細身のパンツを合わせるだけで簡単に綺麗なYラインシルエットが完成します。
もし細身のパンツが苦手なら、コーデの難易度は上がりますがワイドパンツなどを合わせてOラインシルエットを作ることも可能です。
Oラインは上下にボリュームを出すので初心者向けではないのですが、パンツの裾が細くなっていたり、アンクル丈やロールアップで丈を短くして足首のボリュームを少なくすることでOラインが作りやすくなります。
イメージとしては卵型(エッグシルエット)を作るような感じです。
さらにもう一つ、チェスターコートのサラリーマンぽさを払拭させる方法として、襟を隠すという方法もあります。
チェスターコートがサラリーマンぽさを強めている理由の一つにあの襟があるので、襟を隠すことでサラリーマンぽさを弱めることが可能です。
特に大判のストールは襟を隠すのにはもってこいですし、柄の入った大判ストールならよりサラリーマンぽさを弱められます。
これはチェスターコートに限らずステンカラーコート、トレンチコートなど、サラリーマンぽく見えるアイテム全般に言えることです。
実際に羽織ってみてサラリーマンぽさを感じるときは襟を隠すことをおすすめします。
ストールはちょっと難易度が高いと感じるなら、スヌードでも同じ効果がありますよ。
ただし、マフラーはサラリーマンも使うアイテムなので、もしマフラーを使うなら明るい色や柄が入ったものなどサラリーマンが使わないようなマフラーが良いですね。
あとはチェスターコートなら襟がないノーカラーのデザインもあったりします。
ノーカラーでもサラリーマンぽさを消せますが、そのかわり今度はマダムな感じになったりするので、一概にノーカラーが良いとも言えなかったりします。
チェスターとテーラードの重ね着は可能?
テーラードジャケットとチェスターコートはどちらもアウターになります。
アウターにアウターの重ね着、俗にいうアウターオンアウターですが、テーラードジャケットとチェスターコートの重ね着は可能かといえば
可能です!!
冬のコーデはコートをメインに考えることが多いので、コートを着ているとおしゃれだけど、脱いだら「普通」なんてことがあります。
テーラードジャケットとチェスターコートを重ね着していると、チェスターコートを脱いでもテーラードジャケットなのでおしゃれな印象が継続します。
そもそもビジネスマンはスーツの上からチェスターコートを羽織っているので、テーラードジャケットとチェスターコートの重ね着は全く問題ありません。
問題はありませんが・・・
やっぱりサラリーマンぽくなる!!
実際サラリーマンの着こなしになるので、サラリーマンぽさが強くなるのは当たり前ですよね。
理論上は重ね着することは可能でも、先入観やイメージが強くなるのでコーデの難易度は上がると思ってください。
ドレスとカジュアルのMIX以外にサラリーマンぽさを払拭させる必要があるので。
ポイントとしてはカジュアルを強めにしてサラリーマンぽさを払拭させるのですが、カジュアルを強めにする方法としては
- アイテム
- シルエット
- 色
この3つの方法を駆使する必要があります。
アイテムならスラックスや革靴ではなくデニム(ジーパン)やスニーカーを使う。
シルエットに関しては、サラリーマンはドレスが強いIラインが多いと思うので、YラインやOラインでカジュアルダウンさせる。
しかもIラインと言っても太めの野暮ったい感じだと思うので、綺麗なYラインやOラインでスタイリッシュな印象を強めましょう。
色は白、黒、グレーのモノトーンはドレスが強くなり、明るくカラフルな色はカジュアルを強くさせるので、モノトーン+1色で明るい色を使ってみる。
チェスターコートとテーラードジャケットの重ね着ではドレスが相当強くなるので、より上記3つの方法を駆使する必要があるので、正直初心者向けの着こなしではありません。
ただ、本来はスーツスタイルに見えるはずのコーデを私服に落とし込めるようになると、よりおしゃれな印象が増します。
おしゃれな大人コーデに慣れて、カジュアルダウンさせるための”引き出し”が増えてきたら、是非挑戦してみください。
チェスターとテーラードの重ね着コーデ
最後にチェスターコートとテーラードジャケットの重ね着コーデを紹介します。
白靴下
- アウター:JOHN LAWRENCE SULLIVAN
- ジャケット:STUDIOUS
- シャツ:Theory
- パンツ:UNITED TOKYO
- シューズ:Paraboot

デニムシャツ
- アウター:RAGEBLUE
- ジャケット:GU
- シャツ:ユニクロ
- パンツ:ユニクロ
- シューズ:ikka

チェスターコートとテーラードジャケットの重ね着をデニムシャツで崩しています。
シャツの中ではカジュアル寄りのアイテムになるデニムシャツ。
さらに白スニーカーでもカジュアルダウンさせていますね。
画像では目立ちませんがダメージ加工のスキニーデニムもカジュアル要素になりますが、黒を多めにしてYラインシルエットを作ることでバランスを調整しています。
スヌード
- スヌード:RAGEBLUE
- アウター:WEGO
- ジャケット:RAGEBLUE
- パンツ:RAGEBLUE
- シューズ:HARE

チェスターコートとテーラードジャケットの重ね着をスヌードで崩しています。
さらに靴下も赤色でカジュアルダウンさせ、赤のスヌードと合わせることで赤の統一感を出しています。
トップスのカットソーもカジュアル要素ですね。
チェスターコートだけでも上半身にボリュームがでますが、さらにスヌードとリュックでより上半身にボリュームを出すことで綺麗なYラインが作りやすくなります。
デニム(ジーパン)
- ハット:jiggys shop
- アウター:minsobi
- ジャケット:CavariA
- パンツ:ZARA
- シューズ:TOMMY HILFIGER

チェスターコートとテーラードジャケットの重ね着をデニム(ジーパン)で崩しています。
シューズも白スニーカーを使ってカジュアルダウンさせています。
ハットと黒のタートルネックはドレスを強くするのですが、同時に上半身にボリュームが出るので、綺麗なYラインシルエットを作ってバランス調整しています。
ドレスを弱めるならハットを外したり、トップスに襟の低いアイテムを使えばカジュアルダウンできます。
襟の高いアイテムはドレスを強めます。
ワイドパンツ
- アウター:SHAREEF
- ジャケット:SHAREEF
- インナー:tk.TAKEO KIKUCHI
- パンツ:SHAREEF

チェスターコートとテーラードジャケットの重ね着をワイドパンツで崩しています。
ボリュームのあるワイドパンツで上下にボリュームを出したOラインシルエットです。
赤の靴下もカジュアル要素となり、テーラードジャケットも青で色数をモノトーン+2色にすることでカジュアルダウン。
シルエットと色数でカジュアルダウンさせていますね。
まとめ
テーラードジャケットとチェスターコートの違いや重ね着に関してまとめました。
テーラードジャケットの着丈が長くなったものがチェスターコートと認識されている方も多いかと思いますが、実際その通りだと思います。
その通りだとは思いますが、着丈が長くなるだけで大人っぽさとボリュームが変わってきます。
この2つが変わるだけで着こなし方も変わってくるので気をつけてください。
チェスターコートはテーラードジャケットよりもドレスが強くなりサラリーマンぽさが強くなるので、必ずカジュアルをMIXさせてバランスを調整するようにしましょう。
具体的な方法として以下の3つです。
- アイテム
- シルエット
- 色
さらにチェスターコートとテーラードジャケットの重ね着も可能ですが、その場合はよりドレスが強くなりサラリーマンぽさが増したりします。
正直、チェスターコートとテーラードジャケットの重ね着はおしゃれ初心者向けのコーデではありませんが、カジュアルダウンさせる”引き出し”が多くなってきた中級者なら是非挑戦してみてください。
チェスターコートとテーラードジャケットの重ね着を白靴下で崩したコーデになります。
使ってるアイテムや色使いはドレス寄りですが、白靴下を使うことで一気にカジュアルダウンさせられます。
白靴下はさすがの破壊力ですね。
インナーに白シャツを使って白靴下と白の統一感を出すことで小馴れた印象を強めています。